社員ブログ
型破り
「春は名のみの 風の寒さや 谷のうぐいす 歌は思えど 」
日本の唱歌「早春賦」の一節です。
この歌は、作者が穂高の雪解けの風景に感銘を受け作ったとされていますが、時期的には2月の中旬から3月にかけてではないかと考えられます。立春を過ぎたのにまだまだ寒い中、春を感じさせる光景もチラホラ見られることに季節を感じて作った歌ということです。
ゴールデンウィークが明けたとたんに、全国的に寒い日が続き、朝の通勤時の寒さに思わずこの歌の歌詞が脳裏をめぐりましたが、今は立夏を過ぎ「初夏」。穂高の雪も解け切った後にやってきた記録的な寒さに、体調を崩されている方も多いのではないでしょうか。
今年の4月は夏日(最高気温25℃以上)の回数が、ほとんどの地点で観測史上最高となるなど、記録的に暑い春でしたが、今週は5月として最低の最高気温を記録するなど、寒暖の差の激しさは皆さんが体感されているとおりです。
記録づくめのこの春に誘発されたわけではないでしょうが、新聞紙上にも記録的な出来事が連日報道されています。
アメリカ大統領と北朝鮮国務委員長の会談がシンガポールで実現する運びとなりました。
北朝鮮は一貫してアメリカを敵視し、国際社会から孤立することを厭わず武力を交渉材料とするかのごとき外交を繰り広げてきましたが、平昌オリンピックを機に、外交方針を急転換し、南北友和どころか、世界的な国交回復に向けて踏み出したようにさえ見えます。
尤もその本音の部分がどうなのかは、まだ何とも言えず、安易に評価はできないでしょうが、それでも米朝首脳会談というのは歴史的な出来事であるのは間違いありません。
北朝鮮の一連の動きが、北朝鮮側の国内事情によって導き出されたものと見る筋が大半ではありますが、そう判断させたのは、アメリカが極めて型破りなトランプ政権だったからなのかもしれません。「何をするかわからない恐さ」は従来北朝鮮の専売特許でしたが、現在トランプ大統領に対して似たものを感じているのは、私だけではないはずです。
過去の歴史を見ても、節目には必ず「型破りな偉人」が登場してきましたが、周囲から「型破り」と思われる人物は、桁外れのエネルギーやバイタリティーを発散しているために「型破り」なのかもしれません。
従来の型にとらわれる事なく、改善を繰返し、物事をより良い方向に導くことを、信念をもって全力で推進する。
歴史に名を残すことはできなくとも、与えられた小さなコミュニティの中で、足跡を残せるよう、「型破り」であることを目指してみてもいいかなと、ふと感じた朝でした。
営業3部1課 部長 松本治